① 何が起きた?
アルバイトをしていた頃、カラオケ店舗の店外に出て、歩行者に「カラオケいかがですか」と声をかけて集客する仕事がありました。声をかけても無視される、断られる、こちらを見ようともされないことを繰り返すうちに、店外で声をかける時間が嫌になり、本来なら外に出て集客すべき時間に、店内の掃除や整理をして時間を潰すようになりました。
② 当時どう感じた?
大勢の人がいる場所で大きな声を出すこと、自分から歩いている人に近づいて声をかけることが苦手でした。声をかけて断られることが、単なる「営業の失敗」ではなく、「自分が拒絶された」という感覚になっていました。
③ なぜそうなったのか?
冷静に考えれば、相手が断っているのは自分自身ではありません。カラオケに行く気分ではなかった、そもそも行く目的で歩いていなかった、予定があったなど、「今、この人にカラオケのニーズがない」というだけの話でした。それなのに、自分は「断られた=自分が拒絶された」と受け取っていました。
④ そこから何に気づいた?
当時は「ニーズのない人に声をかけることは無駄なのではないか」と考えましたが、声をかける前からその人にニーズがあるかどうかを完全に判断することはできません。声かけとは、「ニーズがある人を見つけて声をかける」だけでなく、「声をかけながらニーズの有無を確認する」作業でもあります。そう考えると、断られることは「無駄」ではなく、Noという反応も一つの情報なのだと気づきました。
⑤ 今ならどうする?
今なら、「声をかけた人全員に来てもらう」ことを目的にせず、最初から「ほとんどの人にはNoと言われる」くらいに考えます。9人に断られても1人が興味を持ってくれればよく、9人のNoは「自分が嫌われた」という意味ではなく「今は必要としていない」という情報にすぎないと切り離します。